「誰が何と言おうと・・・。
私は私らしく生きてやる!」
ある少女の決意
「ムサシ、お前、あんなにスゴかったんだな・・・ι」
「いやいや、ただ慣れの違いでござろう。
拙者の流派は『下克上』の時代を生き抜いてきたご先祖の・・・
いや、まぁ話すと長くなるからやめとくでござる。」
先の戦いで、ムサシはオレが苦戦した十数人の男たちを
ほんの一瞬で倒してしまったのだった。
「しかし、まさか襲われていたのがお主だとは・・・ι
予想もしてなかったでござるよ。」
「けど・・・あんな事言っちまった上に助けてもらって・・・
悪かった、ありがとう。」
正直、まぁ自分がこんなに情けなく感じた事は生まれて2回目だろう。
「はっはっは、拙者、何にも気にしてないでござる。
今こうして一緒に学園まで歩いている以上、何を気にする必要があろうか。」
そう言ってムサシはオレの肩を叩いた。
「・・・サンキュ。」
「おおっ!見えてきたでござる!
あれがジェイサード学園でござるな!」
ムサシはオレの言葉が聞こえないフリをして前方を指差した。
オレへの気遣いなのか、照れているのか、
どちらにしてもオレには彼の態度が妙にうれしかった。
「なるほど・・・まるで城みたいだ・・・」
「何か威圧感のある建物でござるな。
これが数多くのERAZERを育て上げてきた重みと言うものでござるか・・・」
「まぁ・・・」
オレは率直な感想を述べてみた。
「
こんだけ人だかりができてりゃ重みも何も感じないけどな。
」
「・・・同感でござるι」
まぁホントに人の多いことといったら・・・
おまけに
屋台までたってるし。
「・・・まるでお祭り騒ぎでござるなι」
「全くだぜ。あ、おっちゃん、たこ焼き1つ。」
ムサシの話に相槌を打ちつつ小銭を出す。
「あいよ!」
「ってリックスお主もかっ!」
「いや、だってオレ昼飯食べてないし。
ま、端の方にいよーぜ。」
「全く・・・あ、拙者にもたこ焼き1つ。」
「・・・で、オレたちはどーしたらいいんだ?んぐんぐ」
「とりはへふ・・・ごほん!
とりあえず受け付けに行って書類を提出すればオッケーでござる。」
「ピキッ(何かがひび割れれる音)」
「
え゛。
」
一瞬、時が止まった。
「書類って・・・要るの?」
「リックス、お主・・・知らなかったでござるか!?」
呆れた表情でオレの顔を見つめるムサシ。
「・・・ま、来年があるでござる。」
と、言いながら肩をポンと叩く。
「ってちょっと待てオイっ!?
それ・・・マジ?」
「コクコク」
「いやそんなに力いっぱい首振られてもι」
「とは言っても・・・
入学は国の最高責任者の許可証だとか、
他にも様々な書類が必要でござるからなぁ・・・」
・・・何か急に目の前が真っ暗になった。
むしろ作者にいきなりとんかちで頭を殴られたよーな感じと言った方が正しいかもしれないが。
ってゆーか今までさんざんご都合主義でやってきてこれはないだろオイっ!
「じゃ、すまぬが拙者はこれで・・・」
申し訳なさそうにムサシは立ち上がった。
「待て。」
オレはムサシの服をつかんだ。
「オレもついて行く。」
「ええっ!?書類がなければいくら何でも・・・」
「行ってみなきゃわかんねぇだろ!
こんなとこで・・・あきらめるわけにはいかねぇんだよっ!」
そう、オレに残された手段は嘆く事じゃない。
書類なんかがなくても向こうからOKするように・・・
「実力で、入学を認めさせてやるっ!」
第十話も見てみる
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