「あなたたちも抵抗してごらんなさい。
    ・・・この私のように!」
             ルナ=ハリア

「ってことは・・・あんたもERAZER志願者なのか?」
「そうでござる。」
どー見ても野武士にしか見えない少年はそう言った。
「本当に?」
「マジでござるよ★」
「ホントにホント?」
「くどいでござるなお主もι」
ムサシは苦笑いをしながら言う。
「それはともかく、何でオレと一緒に学園まで行こうと?」
素朴な疑問をぶつけてみる。
「ああ、それは―」
笑いながら答えるムサシ。
「お主が一番マトモそうでござったからな。」
「おい。」
「他にもそれらしき連中は見かけたんでござるが・・・
カッコばっかでロクなオーラを出してなかったでござるよ。
大陸のレベルも下がったでござるかなぁ・・・ι」
「確かになぁ・・・」
そう言いながら相手を観察する。
ムサシ・アイハラ。
結構トボけているが、
実力はオレと同等か・・・少し上かもしれない。
あなどれない奴だ・・・
「いやいや、そんな怖い顔しなくても大丈夫でござるよ。」
「へ?」
「リックス、目が笑ってないでござるよ。
拙者を観察してたでござるか?」
う〜ん・・・見透かされてるかι
「それはともかく、
何人か妙な動きをしている連中もいるでござる。」
急にマジメな顔になるムサシ。
「一体、どーゆーこと?」
「ジェイサード学園には戦闘による入学テストがあるのでござるが・・・」
「ああ、知ってる。
しかも入学できるのは毎年平均40人程度なんだろ?」
「そうでござる。
受験者は毎年8000人前後。
倍率として200倍でござる。」
「そこそこのレベルの志願者を先に倒して、
ザコだけを残せば、それだけ楽に合格できる・・・ってことか。
で、ムサシ。あんたはオレと一緒に行くことで
戦力をアップさせ、そいつらから身を守ろうと。」
「おお、理解が早いでござるな。」
意外だといった感じで言うムサシ。
失礼な奴だなぁ・・・ι
「まぁ、オレにとってもマイナスにはならねーな。
ただ、あんたの話が本当だとすればだけどな。」
面白い奴だとは思ったが・・・
当然、この世界はそれだけで人を信用してはいけない。
ムサシがそういう連中の1人ではないという
保証はどこにもないのだから・・・
「う〜ん・・・」
オレの言葉にムサシは困った顔をして
「やはりそこそこの力を持った奴は用心深いでござるなぁ・・・」
どーやらオレ以外にも声をかけまくってたらしい。
「ま、仕方ないでござるか。
志願者はお互いみんな敵。
こんな話、いきなり信じろと言う方が無茶でござるからな。
しかしリックス、お主も十分注意するでござるよ。」
ムサシはそう言うと、きびすを返し、歩いていった。
ちょっと悪いことしちまったかな・・・?
などと思っていたその時!
「っつーかさ、お前もERAZER志願者ぁ?」
何か、あんまり品のよくなさそーな男が現れた。
「ちょっとこっち来てくんねー?」
「やだ。」
即答するオレ。
「あ?てめー何言ってんの?
自分の置かれた状況わかってんの?」
チッ、囲まれたか。
1・2・3・4・5・6・7・8・9・10・11・12・・・
・・・って、ちょっと待て。何人いるんだよオイっ!?
いくらオレでも十数人相手に戦うってのは・・・ι
「ちょーっと路地裏来てくんねーかなぁ?」
仕方なしにオレは路地裏に向かって歩きだした。
からまれるって、こーゆー感じなんだろーかなぁ・・・ι

「さーって、じゃボコされてもらおっかなぁ〜。
ついでに金も出してもらおっか。」
剣やナイフを抜く男たち。
「てめー、ウゼぇんだよ。ヘンな髪型しやがって、
ダッセェ服着やがってよ。」
・・・ダッセェ服はオレ自身も気に入ってるわけじゃないι
何か知んねーけど・・・脱げねぇんだよっ!(泣)
「言いたいことって、それだけ?」
服のことでカチンときたオレは、
そう言って剣を抜いた。
「てめーらみてーな、セコいヤローが学園に入ったって、
ちっとも強くなんかなんねぇよっ!」
「んだとオラァっ!」
戦闘・・・開始だっ!
オレの言葉をきっかけに、男たちは襲いかかってきた!
破砕剣は動きの遅い、対人間戦では有効だが・・・
周囲の被害が大きいため、街中では使えない。
「二連斬っ!」
男の1人が吹っ飛んだ・・・が、
そのスキに他の男の剣がオレの足をかすめた!
「・・・くっ!」
「オラオラ、どーしたどした!?
口ほどにもねーなぁ!え?」
さっきの男が間合いを詰めてくる!
「だ・れ・が・強くなんかなんねーって!?」
「くっ・・・」
大人数を相手にオレは防戦一方だったが、
「て・め・ぇ・だ・よ!このセコセコヤローっ!」
大声でそう言ってやった。
「んだとオラァっ!?」
逆上する男!
「てめーら!こいつの動きを止めろ!」
え゛・・・
意外とこいつ冷静でやんのι
逆上して1人でかかってくると思ったのだが・・・ι
ちょっと・・・ヤベぇかも・・・
その瞬間!
「チャキン。」
何か、刀を抜くような音が聞こえた。
「途中で襲ってくるとは思ったが・・・
まさか街中で襲ってくるとは思ってなかったでござるよ。」
「は?ンだてめーは!?」
男がそう言った瞬間、手にしていたナイフが砕け散る!
「秘剣・居合抜き。
弱い者いぢめは・・・最低の男がすることでござる!」
・・・まさか!?
「我こそは東の国より来る武士の末裔なり!
姓は相原、名は武蔵!
死ぬ覚悟のできた者からかかって来るでござるっ!」


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