「どーせあたし1人死んだってさぁ、
    この世界には何の影響もないんでしょ?」
             ある少女の口癖

「おっしゃああああーっ!合格したぜーっ!」
「拙者もでござる!いやー、やっぱり努力は嘘をつかんでござるなぁ!」
あれから5日、オレとムサシは入学の1次試験を突破した。
機械を使っての体力測定と、モンスターと戦う戦闘実技試験。
昨日はホント苦しかったけど、それまでムサシと組んで特訓した成果もあって、
見事オレ達2人は合格したのだ。
「諸君、合格おめでとう!」
試験官代表が祝辞を述べる。
「だがこれは1次試験である。
明日、再びここで2次試験を行う。それに合格して始めてこの学園の一員となれるのだ。
帰りに実技・筆記、どちらの試験を受けるかを、
出口にいる係の者に記録してもらってから帰ることだ。
今日は疲れた体を癒すといいだろう。
おみやげコーナーにある『ヒーリング人形』を買っていくと・・・」
ここでもおみやげのCMかいっ!
どーゆー学園なんだ、ここはι
一気に辺りのテンションが下がったことは今更言うまでもないだろう。

「で、どっちにしたでござるか?」
町までの帰り道、オレたちは明日の2次試験の話で盛り上がっていた。
「とーぜん、戦闘実技。筆記なんて恐ろしいもんやってられるかよ。」
そうなのだ。
ひとくちにERAZERと言っても、魔王軍と戦うばかりではない。
例えば古代遺跡を探検し、魔王に対抗するアイテムを探す「ハンター」型。
対魔王兵器の開発を進める「学者」型。
僧侶クラスの人間では太刀打ちできないような場所で
他のERAZERの回復をする「レスキュー」型など、
ERAZERにもいろんなタイプの人間がいるのだ。
もちろん、「戦士」型とか「魔法使い」型、他にも「武闘家」型や「賢者」型など、
オーソドックスな感じのもたくさんいる。
ただ、「盗賊」型ERAZERや、「商人」型のERAZERは存在しない。
なぜかって?
世界公認のERAZERがお金儲けなんて、もっての他!
それに盗みなんかしたら犯罪者になってしまうじゃないか!
そう、それだけの理由なのだ(汗)
まぁそんなわけで、学者タイプや僧侶タイプのERAZERを目指す人間は、
必要最低限の体力があればいいということで、2次試験は筆記も選べるようになっている。
もちろん、戦士タイプを目指している人間が筆記試験を選んでも、
学者タイプを目指す人間が戦闘実技を選んでもいいことにはなっている。
のだが。
この筆記試験、ひっじょぉぉぉぉうに難しい。
いや、難しいなんて言葉で表せたものではないのだ。
かく言うオレも以前、「ジェイサード学園入学試験・筆記 過去問集」なるものを買って、
チャレンジしてみたのだが・・・1問も解けずに見事に撃沈したという過去があるι
結局、筆記試験は学者タイプを目指す超エリートの天才児向けになっているのが現状だ。
「ったく、そんなわかりきった事聞くんじゃねぇよ。」
オレは苦笑いをしながらムサシに言い返した。
「いや、だって説明しなければならぬだろう?」
「説明って・・・誰にだよ?」
「お主はニブいでござるなぁ。」
「何なんだよっ!?」
「おお〜っと、そんな話をしているうちにケフェウスの町が見えてきたでござるよ。
今日はさっさと寝て、明日の試験に備えるでござるー★」
それだけ言うとムサシは駆け足で走り出した。
「あ、コラ!てめぇちょっと待ちやがれーっ!」
オレもそう言って、ムサシを追い掛けた。
こうしてケフェウスの日は暮れていった・・・


〜間奏 その1〜も見てみる
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